避難所への道

職場から同僚と2名で某避難所の支援へ出向いた。主な任務は、清掃活動と炊き出し支援と聞いていた。
2時間弱で避難所入り。早速、他の職場からの班と合流し、引き継ぎを受け、トイレ掃除から!屋内に2か所、屋外に仮設トイレが3か所点在。水は通っているけど、水圧が弱いので、「大」は屋外でしてください、らしい。
屋外のうちの1か所近くに、仮設入浴場が正に今、作られようとしていることろだった。避難所生活が長引くことを示唆している。

屋外に仮設トイレが3か所と言っても、3個ではない。1か所なんて、ボックスが4つある。トイレ掃除も大変。さらに、他避難所からはノロウィルス感染で病院へ運ばれた人が何十人もいるとのことで、保健師さんも掃除の仕方をマニュアル化し、その動きに目を光らせる。保健師さん、理学療法士さん、みんな福島県のベストを着用していた。県職員かな?
掃除メンバー4名で、新聞紙を多量に千切って、トイレの床にまいて、その新聞紙に泡ハイターをスプレーして、ほうきでまんべんなく掃いて、・・・ドアノブから何からノロパンチ!もちろん自分自身が感染源にならぬよう、使い捨てエプロン、使い捨てグローブ、使い捨てマスクの着用を徹底。疑問は残る。自分の靴は?トイレのスリッパは?ま、マニュアル通りに実践。でもね、衛生材料の支援物資はそれほど多くない。使い捨てグローブも使い捨てエプロンも午前の掃除で使い切った。午後なんて、エプロン無しで掃除したけんね・・・(;´・ω・)手袋は簡易的な調理する時ので代用。

マニュアル通りにいかないのは世の常。このトイレ掃除が、午前と午後に行われるわけ。
あとは、炊き出しの支援かな~?と思ったけど、そちらは、地元のボランティアの方々が、お揃いの使い捨てエプロン、使い捨てグローブ、使い捨て帽子、使い捨てマスク、を着用の上で、洗ったり切ったり茹でたり炒めたりされていたので、遠巻きに見ていただけ。

もちろん、我々も、避難者の方がもらい終わった後に、炊き出しを頂きました。
「美味しい~」わけはないよ。「ありがたい」って感情だけかな。
これが2週間も3週間も続くのだから・・・避難生活って過酷だ。
炊き出し支援は、昼食と夕食のみで、朝は、パンと飲み物らしい。

支援物資の仕分けは既にされており、避難所の階段の上下に所せましと並べられていた。もちろん避難者の方は勝手には入れず、そこから我々支援職員が足りなくなってきたものを本部前のスペースに並べるシステム。水はとにかくこの辺のスーパーでは見たこともない商品が全国の地域からたくさん届いていた。意外とお茶は来ないのね。2L入りのペットボトルは届いているけど、500ML入りの個人が直のみできるペットボトルは無かった。欲しいって避難者に言われて探したけど、見つけられなかった。

後は、「アルファ米」と書かれた張り紙のところを探したけれど、白ご飯は既に出払ってしまったのかひとつも無かった。炊き出しが始まっているから、もうご飯は必要ないのかもしれないけど、朝がパンなので、高齢者は、白ご飯があったら・・・って言われていた。「サトウのご飯」はあるんだけど、あれは電子レンジが必要だからね。何しろ電圧が弱くて、置いてある電子レンジは使えないとのこと。お湯はあるから、お湯をかけて15分待って食べれるあの災害食の白飯があったらね、っていうか、あったんだろうね、この張り紙があるってことは。

そして、米袋、精米した生米が多量に届いてあった。
もちろん、被災者の方が作った米もあったと思う。自分の家に置いておけないから、というケースもあるのかな。ただ、ボランティアの炊き出しが始まっている、その人達は、自分たちで食材を調達してくるらしい。
となると、この生米、どうなるのかな?と思った。

インスタント味噌汁はた~くさん届いていた。後は、カップ麺、カップ雑炊、パスタ、カレー、食品以外にも、洗わなくて良いシャンプー、(←もう温泉への送迎が毎日始まっているので不要)、歯ブラシ、綿棒、おむつに下着にナプキン、ほんとに全国の皆さんが、熊本を支援してくれている。

我々は1日、それも朝から夕方までの支援だったけど、他の職場の方は、3泊で来ました、避難所に寝泊まりします、等々。本当に皆さん、ご苦労様です。日帰りするのが申し訳ないくらいです。これは、トップの感覚の差でしょうか。で、3泊の方は、たまたま来られた上司の方から、「自分たちが避難所を運営する立場になった時、何が必要で、何をどうしていくのか、ちゃんと勉強して帰ってきなさいよ!帰ってきたら聞くから」と檄を飛ばされていました。素晴らしい危機管理。支援も勉強。ただ支援に行くという気持ちで来た我々まで、感化されてしまいます。

私の感想としては、避難所にいる人の中に、リーダーがいないと、運営はできません。ま、今回は、炊き出しボランティアリーダーの言うことなら聞くみたいな感じ。ご飯もらう立場だからね。
我々が、「新聞千切るの手伝ってください、掃除に使うので~」と声をかけても、皆さん動きが悪いです。「あんたがやってみせんね」みたいな。新聞千切るくらい、誰でもわかるやろ・・・( ノД`)シクシク…
本部に常駐する村役場の職員はリーダーにはなれません。下手すると本部はクレーム窓口になってますから。避難者は被害者意識が強いので、もちろん被災者です。「あれくれ」「これしろ」「これはどうなっているのか」「早くしてくれ」そりゃ色々な注文が飛んできます。村役場の職員も被災者なんですけどね。避難所生活が2週間を過ぎると、ほんと、我慢の限界が訪れるのでしょう。避難者同士のいさかいもおきます。やはり住民の中から、避難者の中からリーダーが自然発生するのがベスト。同じ地区からの避難所なら、区長さんや自治会長さんがその立場になるのがベスト。ただ、全体をまとめられる人じゃないとだめです。平時と違いますから。場所によっては、1000人超えですから。ある避難所では、「ペットも同伴で良いと聞いた」と、人とペットが共存し、支援物資も人の食べ物とペット用の食料が並べて置いてある、と。他の避難者からは、臭いし、吠えるし・・・とクレームが出ているそうです。お店を想像してみると、ペットの餌は、どちらかと言うと、文房具や生活必需品コーナー寄りに設置してあると思うのですが。
「屋外にテントを組んだので、ペット連れの方はこちらへ」と誘導するも、誰も屋内から出て行かない、そうです。そりゃそうでしょうね。今から梅雨→夏です。外は暑いです。一度屋内の良い環境にペット連れで避難生活しちゃったら、もう無理でしょう。

そして、今回、一番強く思ったこと・・・
避難する際は、ペットを同伴するのが昨今国が勧めるルールです。でも、人が寝食するスペースには動物嫌いな方もいます。実際、他の避難者が連れてきた犬に指を噛まれた、と治療を受けている人もいます。是非、分煙、じゃないや、スペースを区切ってください。「ペット連れの方はテントへお願いします」と言われたら、素直に従ってください。
「国が同伴して良いって言ってるじゃないか!」と強気で言う人がいるようですが、【同伴】と【同室】は異なります。そこを勘違いしないでください。中には、ペットがいるから、子供がうるさいから、と何日も車中泊をされている方もいるのに、何故同じ人間でこうも違うのか、悲しくなります。ペットを飼う人は増えているけど、そのモラルも上げていってほしいです。

カテゴリー: 仕事   パーマリンク

避難所への道” へ 6 件のコメント

  1. さくら より:

    助け合って、、の精神もいつまで続くかわからない 避難生活 ボランティア活動 衝突もあるということを改めて知りました。 

     FBなどで芸能人が被災地に応援にきているようですが、
    売名行為かしら?と訪問の意味がよく分かっていなかったのですが、彼らの使命というのがわかったような気がします。ひと時の清涼剤のように彼らによって被災者の心が和むのであれば、賛同いたします。

    • おかちゃん より:

      ほんとですね。有名人がくることで、一瞬でもみんなが笑顔になれる気がします。
      高齢者はこれからまた新築の家を建てるなんて、できないだろうし。
      田舎には空き家がたくさんあるけど、それを被災者の人とマッチングしていくようなシステムはまだまだこれからだと思うし。
      仮設住宅を建てるくらいなら、家を直す補助金を出してくれと言う人もいて。いったいどれだけお金がかかるのやら。

  2. まつだん より:

    おかちゃん、お疲れ様でした><
    避難所でのいろいろなエピソードは聞きますが、実際に現場にはいってないので、そこでの大変さ、状況は想像している以上なんでしょうね。
    今は精神面でのサポートが課題になってきているようですし、心底被災者の方々は大変だと思っています。
    本当に早く、地震前の状況、いや、現状を乗り越えて更にパワーアップした状態に復興してもらいたいです。

    • おかちゃん より:

      ありがとうございます。
      現場では、子供達、なんでこんなにうるさいの?と、思ってましたが、
      ネットなどでみると、地震の後、怖くて赤ちゃん返りして、昼間は強がっていても、夜なんてお母さんの側を離れず小さくなって寝ているとか。そんな記事を読むと、「うるさいなぁ、と思ってゴメンね!」と反省してます(~_~;)

  3. さとくん より:

    おかちゃん!
    何度も阿蘇へのボランティアお疲れ様ですo(*⌒―⌒*)o
    阿蘇次郎さんのとこも大変だと思いますが、
    みなさんお元気で良かったですo(*⌒―⌒*)o
    避難所の様子が手にとるようによくわかります。
    ペットの同行避難は各避難所で問題が起きてるようですね。
    同行と同伴は別物で、同行とは同じ避難所に入れるが
    ペットはペットの部屋で管理されるのですが、
    そこを同伴できると被災者も行政側も勘違いしたところがあるのでしょう。
    ペットを飼う人もいろいろいて、他者への気配りが全く出来ない人もいますよね、
    反対に恐縮しきりの方もおられるし。
    私も避難することになったら猫たちをどうするのか、
    考えておかなくてはいけませんね。
    おかちゃんのレポート、大変参考になりました!
    ありがとうございますo(*⌒―⌒*)o

    • おかちゃん より:

      さとくん
      ありがとうございます(^∇^)
      私にできることなんて、ちっぽけなことです。
      1ヶ月を過ぎ、これからは、もっと精神面でのフォローが必要になりますので、専門家の方々が入っていかれるでしょう。

      確かに、同行も同伴も、同じ意味にとる人が多くて当たり前です。
      総務省の情報発信に問題があると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

wp-puzzle.com logo
:wink: :winer: :whiteflag: :welcome: :wave: :twisted: :tangue: :sleepy: :sing: :sick: :shiranai: :shame: :scared: :sad: :roll: :punch: :pig: :peace: :oops: :music: :mrgreen: :mad_laugh: :mad: :love: :lol: :kikanai: :inori: :idea: :hypo: :humhum: :hug: :ha: :good: :evilgrin: :evil: :dreamer: :doh: :cry: :cheers: :cheer: :bravo: :biting: :beat: :bad: :ashamed: :arrow: :apology: :aplause: :?: :-| :-x :-o :-P :-D :-? :) :( :!: 8-O 8)